思春期の悩み
(心身症、不登校、インターネット・ゲーム依存)
子どもの心身症とは
- 心身症とは、ストレスが大きく影響し、なんらかの身体的な症状が出現する疾患です。
- 主な症状として、頭痛、腹痛、発熱、下痢、便秘、嘔吐、吐き気、めまいなどがあり、「過敏性腸症候群」や「起立性調節障害」といった疾患は心身症といえます。「気管支喘息」や「アトピー性皮膚炎」もストレスが大きく関係しており、心身症として捉えることもできます。
- ストレスの原因はさまざまであり、学校に関連したストレス(勉強、担任との相性、友人関係など)、家庭に関連したストレス(家庭内葛藤、両親の不仲、虐待、経済的困窮)などがあります。
- 心身症の子どもは、自身の抱えているストレスに気がついていない(あるいは目を背けている)ことも多く、そのため周りのおとなも本人の苦痛に気がついていないことがしばしばあります。
- 心身症はうつ病や不安障害、発達障害などを合併することがあります。
GIVING TREE CLINICの治療
- 心身症は、身体とこころの両方を治療していくことが大切です。
- ストレスの原因を一緒に考えながら、生活指導や環境調整を行います。
- 子どもの心身症の改善には、ご家族の理解がとても大切ですので、ご家族に対しての心理教育を重点的に行います。
- おくすりは、症状に応じて適切なおくすりを検討いたします。症状によっては漢方薬が有効なこともあります。
不登校とメンタルヘルス
- 文科省の調査によると、小中学校における不登校(年間30日以上の欠席)の児童は30万人にのぼるといわれています。
- 不登校の児童すべてに精神疾患があるということではありませんが、不登校児童のなかには、発達障害や心身症、不安障害、うつ病を抱えている子どもや、精神疾患でなくともいじめや友人関係、ご家族との関係に悩んでいる子どもは相当数いると考えられます。
- 不登校が長期化してしまうと、ますます登校の再開が困難になり、将来的な「ひきこもり」へとつながってしまう可能性もあります。
GIVING TREE CLINICの治療
- 不登校の治療において、登校再開を焦らないことが大切です(治療は登校再開を保証するものではありません)。
- 不登校の原因を一緒に考えながら、生活指導や環境調整を行います。
- 学校や教育センター、適応指導教室と連携しながら、登校の再開を目標とします。
- 必要に応じて公認心理師・臨床心理士によるカウンセリングを行います。
インターネット・ゲーム依存とは
- インターネット・ゲーム依存とは疾患概念ではありませんが、ICD-11というWHOの診断基準には「ゲーム障害」という新しい疾患が追加されました。
- ゲーム障害は、「ゲームについてコントロールができない」「ほかの日常の活動よりゲームを優先してしまう」「問題が起きているにもかかわらずゲームをやめることをできない」といった特徴があり、「家庭や学校で著しい問題を引き起こしている状態」が、12ヶ月以上(重症の場合にはそれ以下でも可)持続する場合に診断されます。
- ゲーム障害に伴う症状として、「朝が起きられない」「遅刻・欠席してしまう」「昼夜逆転、ひきこもりの生活になってしまう」「家庭内で暴力をふるう」などがあります。
- 重症の場合には入院治療も検討する必要があります。
GIVING TREE CLINICの治療
- 新しい疾患概念のため、まだ治療は確立していません。
- 生活指導と環境調整を中心に治療いたします。
- 患者さん自身が問題意識をもって、行動を変えていくことが治療の第一歩になりますので、焦らず治療を継続することが大切です。