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子どものこころ外来

[2024.07.06]

こんにちは、GIVING TREE CLINICの山口です。
今回のコラムでは、当院の「子どものこころ外来」について紹介しようと思います。

当院の「子どものこころ外来」は、6歳から15歳のお子さんを対象としています。
多くの児童精神科が成人以降は転院を余儀なくされるのに対し、当院では成人以降も継続的に支援していることが特長です。
今のところ、一般外来と混合して診療していますが、今後は専門外来として整備していく予定です。


「子どもこころ外来」には、すでに「発達障害」と診断されているお子さんも多く受診されていますが、幼少期に明らかな遅れがなく、学童期以降に、腹痛や頭痛といった体の不調、不登校や登校しぶり、友人関係や家庭の悩みといったお困りごとで受診さるお子さんも多いです。
彼らのなかには、発達障害の「グレーゾーン」や「HSP/HSC(Highly Sensitive Person/Child)」と呼ばれる特性をもった敏感なお子さんも含まれますが、成長とともに特性が目立たなくなることも多いため、当院では、彼らをむやみに「発達障害」と診断するのではなく、ご家族や学校など周囲のおとなが本人の特性を理解し、個性を尊重して成長を支援していくことが大切だと考えています。
もちろん、積極的に診断することで、より望ましい支援を提供できる場合には、適切に診断し、最適な療育や教育を利用できるように支援いたします。


生来健康なお子さんであっても、友人関係や進学の悩み、家庭内葛藤など思春期特有の悩みを抱え、一時的に「学校に行きたくない」と感じてしまうこともあります。
そのような気持ちを言葉に出せればいいのですが、なかには言葉に出すことが難しく、腹痛や頭痛といった体の不調としてあらわれてしまうこともあります。
明らかな理由があり一時的であればまだいいのですが、明らかな理由がなく1ヶ月以上続く場合には、いわゆる「精神疾患」のリスクについて考える必要があります。
精神疾患を発症する以前には、「眠れない」「気持ちが落ち込む」「イライラする」「やる気が起きない」といったこころや体の不調がみられることも多いです。
前回のコラムでもお話ししたように、精神疾患はより早期から適切に介入することで、疾患の発症を予防したり、軽症化することが期待できます。
そのため、こころや体の不調がみられた時には、「疲れているのだろう」と自己判断をするのではなく、なるべく早く受診することをお勧めいたします。


多くのご家庭では当院に受診される前に、さまざまな努力や工夫をしており、大変ご苦労、ご心配されていると思います。
「GIVING TREE CLINICに行けばこころや体の不調がすぐによくなるのではないか、学校に行けるようになるのではないか」と大きな期待を抱いて当院に受診されているかもしれません。
ただ、残念ながら私たちもそのような「魔法」を持っておらず、専門的な知識に基づいて、一緒に考えながら支援していくことしかできません。
ご家族の焦りは、言葉に出さなくても態度や雰囲気で本人に伝わってしまいます。
本人もご家族に心配をかけまいと必要以上に頑張ってしまうことで、こころや体の不調がさらに悪化してしまうという悪循環に陥ることもあります。


子どもは自らの力で回復・成長します。
また回復・成長のためには、時には十分な休息も必要です。
そのため、ご家族も焦る気持ちグッと抑え、本人の目線に合わせて気持ちに寄り添い、回復・成長を待ってあげることが大切です。


当院の「子どものこころ外来」では、本人のこころや体の不調、悩みごとを支援するだけなく、必要に応じて、ご家族への助言や指導(家族心理教育)も行っております。
ご不明な点がございましたら、いつでもご相談いただければ幸いです。

山口大樹

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